理事長所信

理事長

永代 秀顕

基本方針

1.地域を輝かせ、自らも輝くJayceeを目指して

2.まちづくりのプラットフォームたるJCを目指して

3.ビジョンに共鳴する仲間を求めて

4.夢や希望あふれる未来をこの手に

5.オープンイノベーションを実現する組織運営

はじめに

時代は常に動いている。
我々が望むとも望まなくとも。

人口も経済も右肩上がりだった時代は終焉を迎え、大量生産大量消費時代から、多品種少量生産個性的消費時代へ。消費者ニーズにおいても高付加価値商品を求める傾向にあります。ESG投資が注目を浴びる現在、SDGsの示す持続可能な社会の実現に向けて企業が舵を取れるかどうかが今後の興亡を左右すると言っても過言ではありません。

我々が住み暮らす島原半島では少子高齢化や大都市圏への人口流出により地域の活力が低下しています。人口減少問題により経済活動が縮小し、雇用情勢の悪化、行政サービスやインフラの維持も困難となり、その結果、さらなる人口流出を招き地域の活力が減少するという悪循環が懸念されています。地方創生の言葉で語られるように、地方において持続可能な社会の実現は早急に取り組むべき命題なのです。

そうした時代の中、我々が地域から期待されていること、自ら成すべき使命とは何なのでしょうか。余裕のある者が暇つぶしでJC運動に取り組むことが存在の本質ではありません。原点に立ち返れば、青年会議所は戦後荒廃した最中に産声を上げました。「新日本の再建は我々青年の仕事である」志高き青年達の祖国再建の使命感と揺るぎない信念から、この誇りある運動が創設されたのです。ゆえに青年会議所は、時代の変革期や危機的状況下だからこそ存在意義が高まり輝きを放ち、その真価が問われる団体なのです。

自ら行動を起こさず批評に終始する評論家団体になるのではなく、創造的破壊者としてイノベーションを巻き起こし社会変革を成し遂げる団体であるべきなのです。このまちの未来のビジョンを描き勇気をもって発言し、自らも率先して行動することで市民を巻き込み価値観を変革し、イノベーションの波動を市民から巻き起こす創発により誰もが明るい未来を描けるまちの実現を果たす。それが我々の運動の本質なのです。

 

地域を輝かせ、自らも輝くJayceeを目指して

我々の運動を地域へ波及させるためには、存在意義を確立させるとともに市民へ情報発信することで青年会議所が地域から認知され、影響力を持つ必要があります。認知もされず影響力がない団体では市民意識の変革という目的を果たせるはずもありません。

まずは、我々自身の存在意義を明確にするためにインナーブランディングが必要です。我々の価値観やビジョンが統一されていなければ運動の方向性がぶれてしまい、メンバー各々の迷走を招き、自分達が何者であるかさえも語れなくなるためです。インナーブランディングが推進されると我々の目指すべき方向及び運動の目的が明確になります。その結果、青年会議所が何を目指す団体か定義付けが可能となり他の団体と差別化できるのです。革という目的を果たせるはずもありません。

次の段階ではアウターブランディングの推進を行います。より良きブランドとして認知されるためには質が高く、企画力とセンスあふれる継続した情報発信が重要です。自己満足で終わらせず、共感を得る日々の運動の実践と発信を行い、市民との信頼関係構築を目指し、地域で輝き憧れられ頼られるJC像の確立が成されたならば、我々の運動が加速度的に進行します。

私 達 が 住 む 島 原 半 島 は 気 候 ・ 自 然・文化・食事と観光立国を成立させる四要件が備わっており、さらに観光資源として島原半島ジオパークを有しています。また2018年7月には、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されたことで、新たな観光資源の誕生による観光活性効果が期待されています。しかし、多数の魅力的な観光資源を保有しながらも、認知度や観光コンテンツの充実については課題があり有効活用できていません。地域の持つ観光資源の潜在能力を発掘し魅力を高め、活用方法を提案することで島原半島のブランディングを向上させ一人でも多くのファンを作ることが地域の魅力を知る我々の務めなのです。

 

まちづくりのプラットフォームたるJCを目指して

青年会議所一団体の力のみでは「明るい豊かな社会」の実現を成し遂げられません。様々な個性や特色を持つ個人や団体が有機的に連携し、化学反応・相乗効果を生み出すことで地域にイノベーションを起こせます。青年会議所は異業種団体であり、その特色として会員が40歳で卒業を迎え、組織が常に新陳代謝する仕組みを持つ若さに満ちあふれた組織です。さらに単年度制で組織体も毎年変更され、常に変革と柔軟性を求められるため、新たな価値創造やソーシャルイノベーションを起こせる潜在能力を有しています。ゆえに様々な団体や個人との小さなプロジェクトを協働して行う組織風土を有し、ネットワーク構築に優位性を持ちます。その特性を活かし、変化が早く新たな価値を創出する必要性がある現代において、まちづくりのプラットフォーム団体として地位の確立を目指すべきなのです。地域で活躍する人材や組織と緩やかで柔軟性のある広い人的ネットワークの構築を目指し、一人ひとりと友情を育み、人と人とをつなぎ団体と地域の枠を超え、共創してまちづくりを行います。昨今、自然災害への対応は言うまでもなく、人口減少を伴う社会課題等の危機的状況に対しても地域の力が弱体化しているため、ますます課題解決が困難な状況にあります。リーダーという存在は平時には必要とされなくとも、災害を始めとする様々な有事の際に必要とされ頼られる存在であるべきではないでしょうか。地域のリーダーを目指す団体であるJCこそ、地域において発生する様々な危機や社会課題に対し率先して行動し、地域内の団体や個人と積極的に連携し解決を図るべきです。相乗効果を高めるには、団体や所属する個人が高いレベルの実践力を有する必要があります。早期に団体としての強みを把握し、団体としての個の力、実践力を高めた状態で関係団体とどのように連携体制を構築するべきか具体的に協議し、協働できる体制を整えねばなりません。危機対応は有事での華々しい活動にばかり着目されがちですが、平時にこそ地道かつ堅実に、自力を高めて連携力を向上させる必要があります。実践力を有する危機に強いリーダーを創出いたします。

ビジョンに共鳴する仲間を求めて

青年会議所は地域のリーダーを目指すJayceeの集合体たる団体です。高き志をもった青年から使命を成し遂げるための第一の選択肢に選ばれる器・受け皿たる団体を目指さねばなりません。拡大の意義とは、一人でも多くの志をともにする仲間が増えていけば増えていくほど加速度的に「明るい豊かな社会」の実現に結びつくことです。拡大を行う者が青年会議所の運動の根幹や存在意義を理解し、借り物ではない自らの言葉と体験をもって熱を込めて語ることが重要であり、情熱を有しない者がJCを語っても魅力が十分に伝えられず、入会の動機付けを高められません。日頃からJC活動を振り返り自問自答及び対話を行い言語化しておくべきなのです。自分自身が青年会議所で取り組み、成長した物語を信念もって熱く語ることで拡大対象者から理解、納得、共感を得ることができ、結果として入会につながるのです。近年は前例や解答がない地域固有の問題を解決せねばならない時代であるがゆえに、課題解決型リーダーよりも夢を描きビジョンを語り、人を巻き込む影響力を発揮できる価値創造型リーダーが求められています。地域のリーダーとなるには知識、見識、教養、品格、実践力、創造力、センス等の様々な資質を磨かねばなりません。我々の団体はまちづくり運動を通して、リーダーたるにふさわしい器を広げ、磨いていく機能を有しています。まちづくりに情熱を燃やし、我々の思いや運動に共鳴する仲間が増えることで「明るい豊かな社会」の実現に近づきます。

夢や希望あふれる未来をこの手に

「明るい豊かな社会」我々が目的とするゴールです。その定義を理解するにあたり、反対の定義となる明るくなく豊かでないまちとはどんなまちの姿を示すのでしょうか。暗く乏しく絶望と閉塞感にあふれるまちと定義できます。魅力や活気のないまちでは移住・定住が促進されず、さらなる人口流出が懸念されます。そのような事態を避けるためにも、誰もが住み続けたくなる夢や希望にあふれ将来に希望がもてるまちの実現を目指さねばなりません。

近年テクノロジーの進化がめざましく、AIの進歩により失われる職業があるとも言われています。我々にも仕事を奪われてしまうという絶望的状況が将来待ち受けているのでしょうか。2020年度に小学校でプログラミング教育が必修化されることが明示され、また未来志向の教育として21世紀型能力が提唱されました。我々はテクノロジーに操られ奪われることに危機感を抱くよりも、テクノロジーを活用し将来を発展させる未来を創造するべきなのです。テクノロジーの進化による恩恵を受け、より創造的で付加価値を有する人間ならではの仕事に専念できる時代が近づきつつあります。子どもも大人も近年提唱されている21世紀型スキル等を積極的に身に付け、超スマート社会(Society5.0)以降をも見据えた社会で活躍できる実践力を身に付けることを目指さねばなりません。

また、人間ならではの仕事という定義を考慮すると、感性と美意識といった機械よりも優位性がある人間固有の能力が求められるのではないでしょうか。答えが決まった定型的な大量データ処理はAIに優位性がありますが、創造的かつアートな視点で物事を認識すること。答えなき答えを探求すること。ビジョンを構築し夢を語ること。すなわち未来志向型のソーシャルデザインを描くことについては人間の、さらに言うなれば我々志を持つ青年経済人の得意分野なのです。

この島原半島においても実現できるIT・ICT・IoT等の様々な最先端の技術等を活かした新しいまちのあり方を描き、産業、趣味、教育等にどう活用するのか。いかにしてまちを発展させ、社会課題を解決するのか。そして人生を豊かにできるのか。未来志向でドキドキとワクワクを体感できる社会実験を行い、夢や希望あふれるまちへの道筋を見つけ「フューチャー・ソーシャルデザイン」を実践し発信することで、夢や志を持つ有望な人材を積極的かつ主体的にこの島原半島へ流入させる未来も実現できるはずです。

 

オープンイノベーションを実現する組織運営

青年会議所は会議の名を冠するゆえ、会議を通じて意思決定が行われます。人と人が思いを込めて真剣に意見を交わすことで、よりよきものを生み出せます。会議の生産性向上のためには、個人の知識や見識の向上は当然として、諸規則の整備や明文化、ガイドラインの策定が欠かせません。会議運営規則が明確化されることで枝葉末節をつつくような非生産的な議論をなくし、青年会議所運動の根幹や本質的な議論、事業の質を向上させるための生産性のある会議が実現でき、目的と方向性に沿った有益な会議運営が実現できます。さらに活発な議論が生まれやすい土壌作りのために、様々な会議手法、ファシリテーション技術等を身に付けるべきでしょう。

創造性をもったまちづくりの実現のためには他団体とも対話を重ねるオープンイノベーションが必要であり、その実現において青年会議所で培われた会議手法や様々な計画策定や評価検証のためのフレームワーク等が有効に機能することは間違いありません。

最後に

過去に志を立てまちづくりに挑んだ人達がいるからこそ、島原青年会議所が創設され、この信用ある団体で我々は運動を行うことができる。先人から引き継ぐべきは単なる事業や組織という器だけではない。より良き変化を目指し幾多の困難に積極果敢に挑んだ魂と志を伝承するべきなのだ。先の見えない時代だからこそ青年会議所も時代に求められるよう絶え間ない自己変革と自己成長が必要となる。常に我々は自分達の存在意義を再定義していかねばならない。

熱くなれるのがJCであり、熱くても許される。むしろ熱くなければJCではない。世の中の冷めた人達を我々の熱い志で熱くしようではないか。強く信念を持とう。この運動はより良き未来を創るための行動である。我々の行動から社会が動く。振り返った時に、この運動を起点に地域がよりよくなったと言えるような最初の一歩を踏み出そう。小さいが力強く正しき方向へと進む確かな一歩を踏み出そう。道があるから歩くのではなく、我々が歩いた後に道ができるのだ。我々が道なき道を切り拓いたならば、後についてくる人が必ずあらわれる。社会変動の波に右往左往し、巻き込まれるのではなく、自ら波を起こし時流を創る。時代を切り拓くことができる新時代のリーダーを目指そう。

夢や希望、志と情熱あふれる人は輝きを放ち、
人々を惹きつけ、地域の未来を明るく照らす。

その希望の灯りを絶やすことなく
次世代へつないでいくことが我々青年の使命なのである。