理事長所信

 第71 代理事長

江川 賢祐

2026 年度スローガン

勇往邁進
~挑戦の先に拡がる未来 情熱をもって歩み出そう~

基本方針

1.夢と希望溢れる未来を目指して
2.未来を切り拓く次世代のリーダー育成
3.地域社会の未来を創る仲間を求めて
4.ファンを創り出す広報活動
5.柔軟かつ持続可能な組織運営

はじめに

 2020年2月、新型コロナウイルスが九州に上陸し、のちに九州全土にも蔓延し私たちの生活は一変しました。私たちが住み暮らすまちでも特に飲食業・宿泊業は大きな打撃を受けました。その影響により多くの店舗が休業を余儀なくされました。青年会議所の活動も例外ではなく、その年の理事長が掲げていた方針もゼロベースに見直され、先の見えない状況にメンバー全員が不安を抱えていました。そんな困難な時、ある先輩が私たちに語りかけました。その言葉は今も心に残っています。「こういう時だからこそ、私たちから地域のために何かできることをはじめよう、動き出そう」この言葉が私の背中を強く押し、行動を決意するきっかけとなりました。そこで、私たちは身近な課題に目を向け地域のために小さな行動を積み重ねていきました。例えば、マスク不足を解消するために、自分で作れるマスクの作製方法の動画配信、保育所への消毒液の配布、子どもたちが遊ぶ公園の清掃など、手探りながらも地域のために行動したこの経験は、私に大きな気づきを与えてくれました。それは、どんなに厳しい状況でも決して諦めず、前を向いて進んでいくことです。この経験を通じて得た信念こそが、私の行動指針となり、まちづくり、ひとづくり団体である青年会議所での活動を通して、どんな困難にも臆することなく、新しい挑戦に踏み出す勇気となっています。
 あの経験から、地域の課題は一人ひとりの行動によって乗り越えられると実感しました。だからこそ、現代社会が直面する人口減少や少子高齢化、都市部への若者流出といった問題も、私たち自身の挑戦と行動によって未来を切り拓けるのです。これらの問題は地域社会の経済を縮小させ、人材や後継者不足を招き、地域社会の衰退など多くの問題を引き起こし、これらの複数の要因が重なり合い複雑化しています。行政をはじめ、多くの団体がその解決に向けて努力を重ねていますが、これらの課題は私たちのまちだけの問題ではなく、日本社会全体が直面する重大な課題でもあります。島原半島が未来に向けて発展し続けるためには、現状の課題を直視し、解決への道を模索し続けることが必要不可欠です。誰かが解決してくれるだろうという受け身の姿勢ではなく、私たち一人ひとりが真剣に課題へ向き合い、果敢に挑戦する姿勢とその行動が未来を切り拓く鍵となります。次世代へ誇れるまちを残すために、私たちができることは、ないものを嘆くのではなく、今ある資源や人を最大限に活かすことです。
 経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏は、戦後の混乱期に「ないものを嘆くのではなく、あるものを活かす」と語りました。困難な時代を生き抜くためのこの言葉は、今の地域課題にも通じるものです。私たちも現状を悲観するのではなく、地域に秘められた力を活かし未来を切り拓いていかなければなりません。

夢と希望溢れる未来を目指して

 「どんなに厳しい状況でも、未来には可能性が広がっている。」
この信念のもと、私たちは今、行動を起こす時です。人口減少や高齢化という避けられない課題に直面する島原半島ですが、この地が再び輝き、次世代に誇れる唯一無二の地域となるために、私たちは一歩を踏み出さなければなりません。地域を動かすのは、私たち一人ひとりの力です。まちのために行動を起こす市民が増え、夢や希望をもって地域経済を支え、地域課題の解決に取り組むことで、まちはより良い方向へと向かいます。この当事者意識こそが、地方創生の鍵となります。地域活性化を加速させるためには、現状の課題解決に留まることなく、島原半島の豊かな資源や産業を最大限に活かすことが重要です。美しい自然、独自の文化、そして豊かな食といった地域資源は、まさに宝の山です。例えば、島原水まつりのような伝統的な行事をさらに魅力的に磨き上げ、国内外に積極的に発信することで、新たな観光客を呼び込むことが可能です。また、地域資源を活用したビジネスを創出し、地域全体で稼ぎ出す力を高めることで、地域内の経済が活性化し、好循環が生まれます。不確実な時代を乗り越えるためには、イノベーションの創出が不可欠です。様々な組織や団体と連携し、地域社会の課題をビジネスで解決していくことで、変化に対応できる強い地域づくりを目指します。そして、地域の基盤となるのが共生社会です。年齢や国籍、背景に関わらず、誰もが安心して暮らし、活躍できる場があること。この共生社会の実現は、多様な人々が共に新しい価値を創造できる豊かな土壌となります。さらには、この視点を国内にとどめず、国外にも目を向け、世界にも選ばれるまちを目指すことこそが、世界に誇れる日本、長崎、島原半島という私たちの壮大な目標です。この目標は、決して夢ではありません。現状の課題を直視し、地域のイノベーション、そして市民一人ひとりの意識改革を一歩ずつ歩み進めることで、誰もが住み続けたくなる、夢と希望あふれる未来を築いていけると確信しています。

防災・減災力の向上

 近年、日本国内においてこれまで局地的な豪雨や土砂災害、火山災害などさまざまな予測困難な自然災害が発生しています。これらは日本国内に限らず、世界各地でも発生し、世界規模で自然災害の脅威が高まっています。特に日本国内において南海トラフ巨大地震や首都直下巨大地震等の発生も懸念されており、今後も各地域での自然災害が激甚化・頻発化していくと予測されています。こうした状況の中で、私たちは日頃から不測の事態に備え、防災・減災に対する意識を高めることが求められます。防災・減災のための知識や対策を常にアップデートし、地域への発信を続けなければいけません。そのためには地域ネットワークにおける平時の関係性をさらに強化していく必要があります。

未来を切り拓く次世代のリーダー育成

 私たちが住む島原半島は、人口減少、少子高齢化、そして若者の流出という複合的な課題に直面しています。これらは地域経済の縮小と深刻な人手不足を招き、持続可能な社会の実現を困難にしています。一方で、AIやIoTといった先端技術の急速な発展は、私たちの働き方や暮らし、さらには社会のあり方そのものを大きく変えつつあります。このような変化の激しい不確実な時代において、旧来のやり方だけでは地域社会の活力を維持し、豊かな未来を創造していくことは困難です。私たちの住み暮らす地域をより豊かなものにしていくためには、地域の未来の担い手である子どもたちが地域について、より深く興味と関わりをもち、未来を創造し切り拓いていく力をもったリーダーの育成をすることが必要です。
 不確実な時代だからこそ、地域社会が直面する課題を自分ごととして捉えることが重要です。子どもたちが自ら課題を見つけ、失敗を恐れず解決に挑み、他者との協働を通じて解決策を見出す力を身に付けるアントレプレナーシップ教育を事業に取り入れます。この教育を通じて、地域社会にイノベーションを生み出し、新たな価値が創出されていくことを目指します。また、グローバル化が進む現代においては多様な価値観をもつ人々と共生し、新しい価値を創造できるグローバルな視野をもつ人材の育成も同時に必要です。

地域社会の未来を創る仲間を求めて

 40歳までの年齢制限は、青年会議所に活発な新陳代謝と常に新しい風をもたらします。しかしその一方で、会員数の減少は運動の規模縮小ひいては組織の衰退に直結するため、常に組織の存続が危惧されています。さらに、私たちが住み暮らすまちは、人口減少、少子高齢化、若者流出、経済の停滞といった複合的な課題に直面しています。これらの問題に正面から向き合い未来を切り拓いていくためには、多様な価値観をもった人材が集まり、幅広い視点から議論を重ね、新たな価値を創造していく仲間づくりが欠かせません。だからこそ、地域社会の未来を担う可能性を秘めた青年を発掘し育成していくことが重要です。青年会議所は、「青年が社会により良い変化をもたらすために、リーダーシップの開発と成長の機会を提供する」という使命のもと地域に根差した運動を展開しています。40歳までの限られた時間の中で青年が主体的に地域課題に取り組み、実践を通じてリーダーとしての資質を磨くことで、地域社会の未来を切り拓く、新たな価値を創造する次代を担う人財を輩出していかなければなりません。

ファンを創り出す広報活動

 島原青年会議所はこれまで多くの運動を展開して参りましたが、地域社会に行き届いているとは言い難いです。地域社会に根差すためには、より一層の発信力と共感力が求められます。私たちの運動を社会に広く伝え、理解と共感を得るためには広報の力は不可欠です。情報が溢れている現代社会において、広報は単なる情報発信の手段ではなく、ブランド価値を高め、信頼関係を築き、存在意義を社会に示す手段です。これまでの広報計画を見直し、一方的に伝えるだけではなく共感を生み出す広報活動を展開していきます。さらには私たち一人ひとりの行動が広報であると自覚し青年経済人としての品格と良識ある行動をとることで、継続的な広報活動を通して多くのつながりを築き、私たちの運動の魅力を広く伝えることにより共に歩んでいくファンを創り出していきます。

柔軟かつ持続可能な組織運営

 変化が激しく先の見えない現代において、組織が成長し続けるためには、柔軟性と持続可能性が不可欠です。柔軟な組織は、多様な意見を取り入れ、新しい発想を活かすことで変化に素早く適応します。これにより、組織全体の活気が高まり、新たな挑戦が生まれる土台ができます。持続可能な組織は、メンバー全員が共通の目的を理解し、同じ方向を向いて行動することで実現します。一人ひとりが主体的に行動し、地域社会の課題解決に取り組むことで、組織はさらに力強くなります。この二つを両立させることで、誰もが活躍できる組織文化が育まれます。失敗を恐れず挑戦し、互いの成長を支え合う環境は、組織全体の活力となりイノベーションを生み出します。多様な人材がそれぞれの力を最大限に発揮できる組織こそ持続的に発展できるのです。

結びに

 私たちは今、人口減少や少子高齢化、そして若者の流出といった複雑に絡み合う地域課題に直面しています。しかし、島原半島には、美しい自然や豊かな歴史、故郷を愛する人々がいます。「ないものを嘆くのではなく、あるものを活かす」という言葉の通り、私たちはこの地に秘められている魅力を最大限に引き出し、新しい未来を創造していくことができます。
 目標に向かって、わきめもふらず勇ましく前進するべく「勇往邁進」のスローガンのもと、どんな困難にも立ち向かい、決して立ち止まることなく夢と希望あふれる未来を目指して力強く歩み続けます。次世代に誇れる持続可能な島原半島を築くために情熱をもって歩み出す覚悟です。この挑戦は私たちメンバー一人の力だけでなく、地域社会の方々、関係諸団体との連携があってこそ実現するものです。
 未来は、私たちが自ら切り拓いていくものです。共に、この島原半島の明るい未来を創り上げていきましょう。