青年会議所は人種、国籍、性別、職業、宗教を問わず、地域に住み暮らす20歳から40歳までの「品格ある青年」によって構成されます。運動に対して高い志を持ち、自ら仲間入りするメンバーもいれば、これまで興味は無かったが勧誘をきっかけに加入するメンバーなど、入会の動機は人それぞれです。そのような多種多様な価値観が集まる団体において「なすべきこと・あるべき姿」とはどの様な姿でしょうか。
私達は会議の導入部分でセレモニーを行いますが、青年会議所という組織において我々がどうあるべきなのかは明確にMission、Visionとして記されています。そして日本の青年会議所においてはJC宣言文と綱領において示されており、おそらくこれはそれ以上でもそれ以下でもあってはならないと考えています。
各地の青年会議所でも会員数減少に対する危機感と積極的な会員拡大の必要性が叫ばれるなか、当会議所も会員数の拡大は例年の急務ではあります。しかし、ただ数が増えれば良いかというと決してそうではないと考えています。もちろん、私のように入会後にJCの真価に気づき、知らしめられ、その使命や目的に共感する場合もあるかと思います。自己成長や育成という面においてはそのような価値観の変化を起こすことも重要であると考えますが、本来であればMissionやVisionに共感したからこそ仲間になるのではないでしょうか。
行動学研究のなかに「内的な動機にて動き出すことができる一人の行動力は、外的動機で動かされた7人にも勝る」というレポートがあります。極めて理想的かもしれませんが、我々はまずそのような会員拡大を目指さなければなりません。
理想的な会員拡大を目指す一方で、現実として青年会議所へ入会動機が「付き合いだから」「商売につながるから」というメンバーにもしばしば遭遇します。かくいう私も、しばらくは場当たり的に活動に参加するJCを誤認したメンバーの一人でした。結果的に交友関係が広まり自身の仕事につながりを生むことはあるかもしれませんが、初めからそのような動機で入会してしまうと、私のように本当の目的や使命に気付くまでに多くの時間を要します。
しかしながら、入会する前にJCの理念や信条を理解してもらうことは簡単なことではありません。また、本当の価値は自身が体験してみないと見出せないものです。すなわち、私たちは前者の会員拡大を目標としつつも、後者の会員拡大も否定せず柔軟に組み合わせて対応していく必要があると考えます。そして、入会の動機が人それぞれであったとしても、入会後に意義を実感でき目的に変化を起こすようなアプローチを継続しなければいけません。
これからも私たちは「地域の為に、仲間と一緒に挑戦してみたい」という部分に共感し自ら行動を起こすことができるような仲間を追い求めつつ、入会後もより良く変化できるような会員拡大を目指していきます。